秩父札所巡り・2

5月下旬の日、朝7時に二台の車に分乗し、秩父に向かう。
今回は小学校2年と6年の子供も参加しての札所めぐりだ。

花園インターを降り、話しに花を咲かせながら運転していると
遠くにピラミッド状の武甲山が見えてきた。

秩父セメントの工場のあるこの山は、威風堂々北側の岩壁をそそり立たせている。
その麓に800年前より続く巡礼の道があるのだ。

5月というのに真夏の天気が続く今日この頃、緑に囲まれた寺々を国道140号線に沿って、
12番・野坂寺、26番・円融寺、27番・大淵寺、28番・橋立堂とお参りする予定だ。

車を降りて納経所に行き、つづりになった本を渡す。
お寺のおじいさんやお婆さんが・・そこに美しい毛筆でお寺の本尊の名前を書き、御朱印を押してくれる。

4月8日に七ヶ寺を廻り、スタンプは溜まっている。
今日は何ヶ所廻れるだろう?
(巡礼のことを・お寺スタンプラリーと言う人もいるが・・・楽しいが一番)

御朱印を書いていただいている間に、本堂で観音経を唱える。

「世尊妙相具 我今重問彼 ・・・
(セソン・ミョウソウグ・・ガコン・ジュウモンピ・・・ )

 世尊が妙なるオーラを発している様子を不思議に思い・・
 あえて・・私は重ねて彼に問いただした・・・」

釈杖のリズムに合わせ、他の人の声を聞きながら・・・想いが一つになる。
強い日の光の当たる本堂の正面を避け、木陰で輪唱していると若葉の香りのする風が背中を通り過ぎる。

お経が終わり、ふと本尊の観音様を見つめると、心なしか微笑んでいるようだ。
緊張が解けみんなの顔もほころんでいる。

トイレに行く人、お水を飲みだす人、子供とじゃれあう人。
小学校2年の「小坊主」くんは、般若心経を途中まで暗記している。
その上「不動明王の真言」が大好きだ。
コミックのカメハメハの元気玉(氣のボール)も大好きだ。

彼が釈杖の音にあわせ携帯用木魚をたたく。ポク・ポク・ポク・・・


    

29番・長泉院、30番・法雲寺・・・が終わり
荒川にかかる久那大橋を横切ると、横に蕎麦屋がある。
山々に囲まれ盆地状になっている秩父の山々が見渡せる絶景地だ。

手打ち蕎麦に舌鼓を打ちながら、それまでに訪ねたお寺を寸評する。
人の噂話ほど美味しい・・・
「ツマミ」は無いのかもしれない。

「あのお寺は・・樹木が少なくてさびしかったわね〜」とA嬢。
「いや〜あのお寺はこじんまりしていたけど、儲かっているよ。お墓がたくさんあったもの・・・。」とB氏。

人によってさまざまな意見があるものだ。

そして何回も続けてお寺に行っていると、その気配が・・・入ったときに分かることを知った。
全体に、そのお寺を引き受けている方の意思が漂っているのだ。

     

食事を済ませ25番・久昌寺・・・24番・法泉寺を過ぎ・・・・
32番・般若山法性寺にやってきた。

入り口の山門に覆いかぶさるようにして、本堂が4階建ての位置にそそり立っている。
山門の仁王像は等身大の木彫で、ひび割れているが力のこもった作品だ。

「納経でない方は・・300円の入場料をお払いください」の立て看板。
「いやみな寺だな〜。」と思いつつ中に入る。

階段を登っていくうちに、本堂の威圧している意味が分かった。
急な坂の上にあるのだ。
納経所に御朱印帳を預け、観音堂に向かう。

山肌に続くお庭を横切り、いくつかの仏像を過ぎたあとに、石の階段が続いている。
右は岩を切り取った険しい男坂。左はなだらかな女坂。

坂の途中の左に、巨石文化のような岩が蓋をしている場所があり、覗いてみる。
冥想場所になっているのだ。
曹洞宗のお寺だから座禅に励んでいた先達の残したものなのだろう。

    

崖の上にはお堂があり、四方を縁側で囲まれている。
板の間を上がると、なんとも心地いい気が流れている。
中央の本堂に聖観音が奉られているが、奥は地蔵堂となり天井は岩が掘られていて、
多くの仏像、仏塔が置かれている。

縁側から杉木立越しに見る遠景は、京都・清水寺からの風景を思わせる。

岩は聖なる空間を演出する力があるのだろうか?
それが分かってストーンヘンジやストーンサークルが創られたのではないだろうか?
石は、それ自体が聖なる存在なのかもしれない!!
ピラミッドもそのようにして・・・創られたのかもしれない。

いつものように観音経を唱え、お経を終えるとみなフニャフニャになってしまった。
その床にごろり・・ごろり。

冥想しているのか睡眠しているのか・・至福の一時を過ごす。誰もいない観音堂。

「いや〜ここで雨の日に一日中座禅していたいね・・・!!」
「あっち(彼岸・浄土?)に行っちゃうかも・・・?」

まどろみのあとで・・理性が生じ・・「そろそろ行かなければ」納経所の下に降りると・・
「『観音堂は先日高校生が座禅会をしたので・・床が綺麗でしょ。』って言われたのよ」とA嬢。

あわてて私は聞きに行きました。
「すみません、冥想にお借りできるんですか?」
「ええ・・先日も高校生に・・・」

後の言葉はもうどうでもいいんです。
ここで冥想がしたいと思ったら・・・出来るのです。

帰りの車の中では・・次の企画で盛り上がりました。

何しろ「みんな違ってみな良い」まんだらの思想を持つ、個性的な人々の集まるグループなのだから・・・
あのお寺を舞台に、面白い企画が提案できるかも知れません。
お楽しみに!!