チベットの癒し

チベットの身体観は、近代医学の洗礼を受けた私たちには大変奇妙に思えます。
しかしインドのアユルベーダ−の病理観を基本に、密教の世界観を取り入れた処方は
補完医療として見直す価値のある思考法が内在しています。

チベット医療はアムドという祈祷師兼医者が行っていますので、
彼の世界観身体観をここで述べてみましょう。

三身説 私たちの身体には三種類の世界があります

1/ダルマ・カーヤ(法身)の世界

主客の対立を超えた、非二元論の世界。
形を持たない根源の空の世界です。
無限の潜在力と、自由とエネルギーの源です。
最近の物理学がゼロ・ポイント・フィールドと考えているところです。
ミトス(神秘)の空間ともいえます。
ユング風には普遍的集合無意識の世界です。

2/サンボガ・カーヤ(報身)の世界

色と形態エネルギーの世界です。
氣の感覚があると感じられる世界です。
シンボルの世界であり、宗教象徴学や深層心理学の思考法により参入できます。
エイドス(形態)の世界です。
ユング風には個人的無意識の世界です。

3/ニルマーナ・カーヤ(応身)の世界

二元論の世界です。
この世界の存在が好んで、無明と苦を選択しています。
ロゴス(言語概念)の世界です。
ユング風には肉体と意識の世界です。


以上の三つの身体が重なり合って、完全な身体を作り
虚空蔵(無糧の世界)世界に存在しているのです。
近代思想は、物質と精神の二元論世界を想定していますが、
チベット密教の世界観は物質と精神が不二(別々の物でなく、且つ一つではない)なのです。

霊的身体***プラーナ(氣)・ナーディ(脈管)・チャクラ(輪)

プラーナ(氣)

人体を動かす氣(チベット語で風・ルン)のエネルギーは呼吸と共に
サンボガ・カーヤやダルマ・カーヤの世界から流れてきます。

ナーディ(脈管)

肉体に重なって、霊的身体があります。
頭頂から会陰まで中央脈管(ウマ)が脊椎に沿って
1センチほどのチューブ状の存在でつながり、喉の左右に、
右は太陽エネルギーのロマ、左は月のエネルギーのキャンマと名づけられた脈管が、
体内を性器のところまで伸びています。

チャクラ(輪)

霊的身体が外部とつながっているところが、
チャクラ(チベット語では輪・コルロ)と呼ばれ、
頭蓋(頭頂と額)・喉・心臓・臍・会陰の五ヶ所です。


脈診治療

脈管を見るには、手首、頚動脈、足部、鼠蹊部の脈診によります。
ルン(風)、ティーパ(胆汁)、ペーケン(粘液)のエネルギーバランスを探るのです。
また身体のコリを触診により探ることにより、全身のバランスを発見します。

その際の判断情報は、医師の過去の知識症例だけでなく、
サンボガ・カーヤやダルマ・カーヤからのメッセージとしても受け取ろうとします。
そのために直観力を得る瞑想修行は欠かせないものとなっています。

ニルマーナ・カーヤ***五大と三密

五大の身体

粗大な肉体レベルの身体(ニルマーナ・カーヤ)は
地・水・火・風・空の五つの要素(五大)に分かれています。

地の要素は性器と手足。肉体を司ります。
水の要素は下腹部。灌頂を司ります。
火の要素は胸と心臓。行動を司ります。
風の要素は首と喉。思考を司ります。
空の要素は頭になります。魂を司ります。

地は拡大を与え、水は収縮を起こし、火は熱を与え、
風は動きとダイナミズムを与え、空は開始点を与えます。
サンボガ・カーヤの世界『形態の世界』では□○△半丸・になります。
この五要素(五大)が集まって、宇宙を意味する卒塔婆(ストゥーパ)の形になります。
日本ではお墓の形になります。
空海は「五大に響きあり」(形態世界は波動で出来ている)と述べています。

  

三密の身体

チベット密教ではサンボガ・カーヤの身体は、
身・口・意の構成要素で出来ていると考えます。
サンボガ・カーヤはカルマが蓄積する阿頼耶識の身体ともいえます。
身体の行ったカルマは額の部分に、口の行ったカルマは口と喉に、
意識の行ったカルマは胸に付着すると考えます。

五体投地の際に、手をそこの部分で合掌し、オン・ア・フーンのマントラを唱えることにより、
浄化されると信じています。

特に口はエネルギーの通り道で、食べ物・呼吸・言葉の三要素のとり方を間違えると、
食べ物と呼吸でニルマーナ・カーヤの身体が、
言葉にはサンボガ・カーヤの身体が大きく影響を受けます。

チベットの輪廻思想

チベット人にとって、死はありません。
死は再生の始まりです。

中央脈管に存在した意識体は風(ルン)に乗り、肉体を離れます。
チベット死者の書では、その際に頭頂から出ることにより、
ダルマ・カーヤの世界に導かれると考えています。

チベット僧は死者の意識体(魂)が肉体に執着して、浮遊霊とならないよう、
死者の枕元で経を読み語りかけます。
49日の後に、意識体は転生し、それぞれのカルマ(前世の行い)に従って再生すると考えています。

チベット・ドニパトロ・ヒーリング

頭上に重さをかける

姿勢の問題:ネパールの人々は頭に物を載せて運ぶため、
背筋がまっすぐで中央脈管がゆがんでいません。
重いドニパトロをクッションを置いてから上向きに置き、
手で持ちながら姿勢を正します。
中央脈管のイメージ作りに最適です。

呼吸法:呼吸のイメージは肛門で呼吸し、
尾底骨を少し後ろにそらします。
胸を軽く張り、あごを引き、
氣を会陰から頭頂に向けて中央脈管に送ります。

波動を感じる

錬金術で作ったドニパトロの外側に両手を置いてもらって、スティックでたたく。
呼吸とともに指先や労宮から丹田に氣が入る感じがつかめます。
また、ドニパトロの中に手を入れてもらって氣の感覚を調べてもらうこともできます。

水の入ったドニパトロの縁をスティックで回す

身体の80パーセントは水で出来ています。
外側からの波動で水が飛び跳ね、踊りだす様子を見てもらいます。
激しく落ちる滝のようにマイナス・イオンが発生する気配を感じていただきます。

ドニパトロの波動により、身体の水分も変容する様子をイメージしていただきます。
飲んでいただくと、味が変わっているのが分かります。

ドニパトロ一個で出来るヒーリング

場所:セッションをする場所は非日常性の聖なる空間を演出してください。
曼荼羅を飾るなり、アロマオイルを使用する、布で日用品を隠すなど工夫してください。


風の浄化

最初に身体の表面についている、最近のネガティブなエネルギーを
孔雀の羽根を使って取り去ります。
チベットでは孔雀の羽根で身体の表面を祓います。
ネイティブアメリカンのメディシンマン(祈祷師)はイーグルの羽根で身体の表面を撫でて浄化します。
洋の東西を問わず密教の祈祷法は同じです。

水の浄化

聖水を頭頂にかけることは、世界の宗教儀式で意識レベルを上げるために行われる方法です。
キリスト教ではイニシエーションと呼ばれ、密教でも灌頂として入信の儀式になっています。
ここではエジプトで儀式に使われているバラ水を、波動水として使用します。

火の浄化

次に真言宗の塗香を両手に塗ります。
塗香は心身の浄化に役立ちますので、具合の悪いところに塗りこめるのも良いでしょう。
火の使える場所では線香やセージをたくことで浄化されます。
もちろん護摩の炎の浄化が最高のものです。
火は人間しか使えない智慧の象徴です。

地の浄化

ドニパトロとはチベットのシンギングボウルの呼び名です。
高価な物は錬金術によって作られ、気を発しています。
これを帽子のように被っていただき、縁をたたくと
気のエネルギーが頭頂から中央脈管を通り会陰に達します。

ネガティブな思考によってもたらされる邪気は、身体の各所に付着します。
それを重低音の波動によって地に流していくのです。

空の浄化

以上、四つの要素の浄化をしているうちに、
身体は緩みラポール(親和感)も形成されてきます。

そして最後に般若心経などの読経とマントラの波動を、
チベット法具や数珠を使ってサンボガ・カーヤに流します。
多くのチベット人は、マントラの波動が最高の波動であると信じています。

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