映画:地球が静止する日(キアヌ・リーブス)

〜〜コトバが幻想を作る〜〜
チャールトン・へストンの映画「サルの惑星」を観て、
コトバの話せる人類は地球を滅亡させるのではないかと不安になったことがあります。

人間とはコトバによって幻想をつくり、争いをやめない種なのかもしれないと思いました。

しかし今コトバが幻想を作ることを知ると、仏教の智慧があれば
地球は救えると思うようになりました。

仏教は非二元論。
コトバでは世界は分けられないと考えます。

主体・客体・・増・減・・・男・女・・・
コトバは中間(グラディエーション)を無視する思想であり、
目に見える世界しかないと想起してしまいます。

ところが般若心経は・・非二元論・・自他不二の思想を語っています。

元アメリカ副大統領アル・ゴアは『不都合な真実』で
「あと10年このままでいると、地球は二度と生物の住めない星になる」と語っていました。
それが今の現実なのです。

人類は金融崩壊に立ち向かうために、今までの思考法を変えられるのでしょうか?

次のアメリカ大統領:オバマ・バラクのモットーはchange!!です。
でも本当にチェンジできるのでしょうか?
それがなければ・・やってくるのは・・アセンション(地球崩壊)・・・かもしれないのです。

『リトルブッダ』で釈迦の役を、『マトリックス』で救世主の役を、
そして『地球が静止する日』で宇宙人を演じる「キアヌ・リーブス」
果たして人類はどこに流れていくのでしょうか?

あらすじ

宇宙微生物学のヘレン・ベンソン博士は突然、軍に呼び出され
木星から飛来した巨大な球体が地球に衝突すると告げられる。
その球体はニューヨークのセントラルパークに着陸する。

降りてきた宇宙人と接触するヘレン。
しかし軍の発砲により宇宙人が傷つく。
すると背後からロボットが現れ・・・軍に攻撃を仕掛ける。

ヘレンに助けられた宇宙人クラトゥ(キアヌ・リーブス)は、その飛来目的をヘレンに明かす。
彼は「地球を救う」ために人類を破滅させる使命を帯びて地球の飛来したのだった。

彼は人類以外の生物を、巨大な球体に呼び込んで採取しはじめた。
聖書に描かれた「ノアの箱舟」のように。

国防長官レジーナ・ジャクソンは箱舟のあとには「洪水」が来ると気付く。
そして国防長官はヘレンに歴史について語る。

「歴史が私に教えたのは、低級な文明は常に高度な文明に絶滅させられるか、
奴隷化させるということでした。
他の文明を持ったエイリアンの襲来と聞いて、私は即座に、インカ帝国とピザッロ、
ネイティブ・アメリカンとコロンブスが襲来したことを考えていたわ」と語る。


しかしその高度な文明が今サブプライムローン問題で崩壊しかかっている。
果たしてアメリカの金融資本主義は、高度な文明だったのだろうか?
ネイティブ・アメリカンの文明のほうが高度だったのではないだろうか。

ただし、アメリカの文明がより暴力的であったことは間違いない。
その暴力実践の思想に善悪の一神教(二元論)が存在しているのだ。
テロリストを取るかアメリカを取るかという二元論は人々を狂気に導くのだ。

ウー老人

  宇宙人クラトゥ(キアヌ・リーブス)の前のメッセンジャー・・・
  70年前に地球にやってきた中国人、ウー老人が語る。

ウー老人:「残念ながら地球人は合理的な種族じゃないのじゃ。
      私は彼らの中で70年間も一緒に暮らしてきたので、彼らのことは何でも知っておる。」

     「彼らは破壊的な種族で、それは今後も変わりはしない。」

     「悲しいのは、彼らはこのままだと、この先どうなってしまうのか
      うすうす気付いていることなのだ。
      心のどこかで感じているはずだ。
      しかしそれに対して何かしようとは思っていないように見受けられる。」

クラトゥ:「それでは決定でよろしいですね。私は至急(人類消滅の)プロセスを開始します。」

     「では・・僕たちは帰る準備をしなければ。」

ウー老人:「ワシはここに残るよ。」

     「お分かりと思うが、わしは彼らを愛しておるんだ。」

     「・・・長い間ワシはこんなところに派遣されたことをのろっておった。
      人間として生きていくことは、困難の連続だ。
      そしてこんなに苦労して生きていっても、しまいには死が訪れる。」

     「・・・しかし、わしは今やっと、地球人として生きて、そして死んでいくのが
      幸運なことと思えるのだよ。」

クラトゥは黙って老人の顔を見つめた。2人の会話はそこで途絶えた。

店に入ってきたときのように、2人は静かに窓の外の雨を見つめた。

宇宙人クラトゥ


クラトゥ:「この惑星は死にかかっている」

ヘレン:「だからあなたは私たちを助けに来たって言うの?」

クラトゥ:「「いいや、違う」

ヘレン:「でも、あなたは私たちを救いにきたって言ったんじゃない」

クラトゥ:「僕は地球を救いにきたと・・・言ったんだ」

ヘレン:「あなたは地球を私たちから守るためにやってきたのね」

クラトゥ:「そうだ人間というたった一つの種族に、
      この惑星が滅ぼされるのを見過ごすことはできない」

     「もし地球が死んでしまえば、君たちも死んでしまう。
      しかし君たちが死ねば、地球は生き残れる。」

     「これだけ広い宇宙にだって、これだけ複雑な生命体を維持できる惑星はいくつもないんだ。
      僕たちはそんな貴重な惑星が滅ぼされていくのを、指をくわえてみているわけにはいかなかった。」

ヘレン:「そんなこと出来ないわ、あなたたちにそんな権利ないわよ。
     それに、私たちにはこの惑星を変えることができるわ。
     まだ時間は残されているはずよ。」

クラトゥは首を振った。

    「僕らは長い間この星を監視し、変化が訪れるのを待っていた。
     君たち人間がこの星をきっと変えてくれると期待もしていたんだ。
     しかしもうこれ以上待つことは出来ない。
     今すぐ僕たちが行動すれば、君たちが地球に与えたダメージを取り除き、
     元に戻すことができる。地球は蘇ることが出来るんだ。」

ヘレンの眼には涙がたまり今にもこぼれ落ちそうになっていた。

ヘレン:「そんな、待って。そんなことはしないで。私たちは変えられるわ。」

クラトゥはうつむき、やがて辛そうに口を開いた。

    「すでに決定は下されてしまったんだ」

バーンハート教授

生物の利他行動の研究によりノーベル賞を受賞した、バーンハート教授の自宅。
バッハの音楽にクラトゥは耳を傾ける。

教授:「クラトゥ君の言っていることは正しいかもしれない。
    我々は自らが作り出した危機で自らが首を絞めている。
    私の研究でわかったことは、現在我々の文明はこれ以上の進化を望めない。
    いわば限界点に達しているということだ。
    いずれにせよ、すべての文明は、いつかはクライシスポイントに達するものなのだ」

クラトゥ:「ほとんどの文明は生き残ることが出来ない」

教授:「しかし君の文明は生き残ったのだね?一体どうやって」

クラトゥ:「僕たちにとっての太陽が滅び始め、僕たちは生き延びるために進化せざるを得なかった」

教授:「と言うことは、世界が滅亡するかもしれないという段階になって、
    初めて君たちは今の姿になったのだね」

クラトゥ:「そういうことだ」

教授:「クラトゥ、それこそがまさに今、我々人間が直面していることなのだよ。
    君が言うように我々は破滅のがけっぷちにいる。
    しかし人間の中には気付き行動している人もいる。エコロジーという考え方だ。
    地球環境をこれ以上破壊しないよう、資源を大切に使おうとしている。
    人間という生き物は自己存在のぎりぎりに来たとき、
    初めて変わろうとする意思を持つことができるんだ。」

   「どうか我々を過去にしでかしてしまったことだけで判断しないで欲しい。
    人間のもつ潜在的な能力で判断して欲しい。
    この貴重な瞬間を我々から取り上げないでくれないか。
    もう少しで答えが見つかりそうな気がするんだ。」

ジェイコブとの会話

敷地にはたくさんの墓石が同じ間隔で並んでいた。
それぞれに一つずつアメリカ国旗がはためいている。

ジェイコブ少年は探していた墓石を見つけた。
彼は墓石の前にひざまずくと、ていねいに墓石のホコリを払った。

クラトゥが墓石に刻まれた名前を読んだ。
「アンドリュー・ベンソン中尉」。
へレンの夫でもあり、ジェイコブの父の名前だ。

クラトゥは少年の意図を理解した。

クラトゥは横に首を振った。

ジェイコブ:「出来るよ警官を生き返らせたじゃないか」

クラトゥ:「僕にも出来ることと出来ないことがあるんだ」

ジェイコブ:「でもアンタには不思議な力があるじゃないか」

「すまない」クラトゥはもう一度頭を横に振った。

クラトゥ:「ジェイコブ、宇宙には無駄になるものは何一つない。
      どんなものも、本当になくなってしまうわけではないんだ。」

     「すべてのものは別のものに形を変えていくだけなんだよ。」



このコトバは、色即是空(形あるものと全体はつながっていて、なくなることなんてことはないんだ。)
と同じ意味になる。
その形に執着することで、妄想が生じてしまうと般若心経では語っている。
インタビュー

この映画はロバート・ワイズ監督のリメイク。
「地球の静止する日」主演のキアヌ・リーブスが答える。

Q:今あえてリメイクすることの意義は感じましたか?

A:トム・ロスマン監督に「この映画を一緒に作らないか?」とアプロ ーチされたときに、
僕もその質問をしたよ。
でも数日に渡って監督と話しをするうちに、50年代に作られた映画が、
いかに2008年に通用するかと言う彼の考えに共感していった。
クラトゥは人類の友達としてやってくる。

オリジナルが作られたのは国連もない時代だったから、原爆や冷戦が示唆されていたが、
今回の映画では僕らがいま直面している危機が焦点になる。

僕らは今分かれ道に立っているんだ。
滅亡するかあるいは僕らが変わるかのどちらかしか選択肢はない。

この映画はまた、そこまでぎりぎりに追い込まれないと人間は変わらないものなのかという
問いかけもしてくるんだ。



アメリカ副大統領アル・ゴアの「不都合なる真実」を見て
これが現代の危機だと感じた人々にはぜひ見てもらいたい映画です。