厳しい温暖化ガス排出削減に各国が取り組む「京都議定書」が発効した。
削減に熱心なヨーロッパ諸国には、地球温暖化がヨーロッパを暖めている暖流に影響を与え、
寒冷化させるという仮説があるから・・・。
北大西洋では、南から来た暖かくて塩分濃度の高い海水が、
北極付近の寒さによって水温が下がり、海底に向かって沈む。
その沈み込みによって、南からさらに暖かい海水がやってくる。
沈んだ海水は海底に沿って南に戻る。
温暖化が進むとこの大循環が止まる可能性がある。
氷河や氷床が溶けて淡水が北大西洋に流れ込むと、塩分濃度が低くなって比重が小さくなり、
沈み込みが起こらなくなるかもしれないのだ。
北半球の高緯度地域では、1960年代から10年ごとに0.6度ずつ気温が上がっている。
氷に覆われている面積は、10年ごとに4パーセントずつ小さくなっている。
過去にはもっと激しい気温の上下があった。<中略>
文明を滅亡させるほどの気候変動は、数え切れないほど起きている。
メソポタミア文明やインダス文明は、気候の乾燥化と、森林の破壊によって滅亡したらしい。
東京都立大の福沢教授(環境変遷学)によると、農耕の始まりや産業革命は
寒冷化への対処といわれている。
朝鮮北部から沿海州にかけて栄えた渤海国は、1100年程前、
急激な寒冷化によって滅びたと考えられている。
同じころメキシコのマヤ文明は、大干ばつで滅びた。
大変動に現代文明は対処できるであろうか。実はかなり心もとない〜。
(2005年2月22日 東京新聞20面より抜粋)