ネワール密教
ネワール密教


ヒンドゥー教が国教のネパール民族の中、一割ほどの仏教徒、ネワール人がいる。
彼らの中で最上級のカーストの名前が、シャキャ族であり、
その中でも最高位がバジュラチャルヤという名前だ。
この人々は、カトマンズ周辺に住み、いまでも仏教を信奉し、毎日の供養を欠かさず、
仏像製作、マンダラ製作に携わっている。
インドから伝えられた仏教(密教)は、彼らの力でチベットに伝えられた。
いまでも毎日、山の上のスワヤンブナート寺院の前では、鬼子母神(ハリィーティ)廟の前で
グバジェ(有髪の僧侶)の指導で、プジャ(供養)が行われている。

女性の信者の中では、さまざまな奇跡の体験があると、その人に神が降りたとみなされ、
お寺に修行に行くことになる。
そして多くが鬼子母神(ハリィーティ)の交霊者として、ヒーラーの道を歩むことになる。
このような人々を「ディヨ・マー:神の降りた母親」と呼び、
ネワール民族の住む世界で、お祓いや占い、霊的相談などを行っている。

彼らの祈りの空間は、バハという家々に囲まれた広場なので、多くの観光客の眼には触れにくいところにある。
それでも観光地として有名な「ゴールデン・テンプル」や「スワヤンブナート寺院」では早朝に行けば、
さまざまな儀式を目にすることができるだろう。


   
グバジェの儀式
スワヤンブナート寺院の鬼子母神・祭壇の奥に四角い護摩炉があり、
手前に金属製のマンダラ供養台が設置されている。
次第(テキスト)にしたがって供養の品を投げ込んでいくので、周辺はごみだらけのように見えるが、
神々に供養して(捧げて)いるのである。
左手に金剛鈴、右手に金剛杵を持ち・・鉤・索・鎖・鈴・・などの印を繰り広げる。
この人々の作法を見ていて、私は密教僧の道を選んだのだ。
頭に橙色の花を乗せているのは、頭頂のチャクラを加持(浄化)しているから。
払いのけてはいけないのだ!!


  
ディヨ・マーの儀式
カトマンズの周辺・パタン町の多くにネワール人が住んでいる。
そこでは仏像製作やマンダラが描かれ、朝早くからバハ(祈りの場)では、地域の守り神を祈りに、
米や花などの供養の品を持って人々が訪れる。
そのバハの周辺に住んでいるディヨ・マーは、毎週火曜日と土曜日に、鬼子母神と交霊し、
人々にメッセージを伝えている。


  
スワヤンブナート寺院には大きな金剛杵(バジュラ)があり、結界を作っている。
五色のタルチョは、五智如来(パンチャ・ブッダ)の象徴であり、
中央のストゥーパ(卒塔婆)は宇宙エネルギー(氣)を集める役目をしている。
私はこの意味を探るうちに、クリスタル・マンダラ占いを編み出すことができた。
無意味に見える象徴も、実はすべてに意味があるのだった。
ネパール通過儀礼(サンスカーラ)
人類の成長に不可欠な要素を包含する


カトマンズ盆地の仏教徒は10種類の通過儀礼にしたがっている。
1、懐胎式
2、男児出産祈願 
3、健康祈願式 
4、誕生後の清め 
5、命名式 
6、初めての外出 
7、お食初め 
8、剃髪式 
9、還俗式 
10、結婚式

4、誕生式を見てみよう。
誓いの存在(三昧耶・薩?)を観想し、蓮華と月輪上の白い文字「ブルーン=ボロン」を思い描く。
文字ボロンが八正道の輪となり、この文字が大日如来に変化する。
その後、阿しゅく如来のマントラで祝福した壷から水を捧げる。
「医者の長である金剛王が、この世の盲目を取り除いたように、私もあなたのために無明のとばりを除きます。」
といいながら、眼を開かせる。
書物や像を鏡に写しながら、右目と左目の内側で、
太陽(ラヴィ)と月(インドゥ)が種子MaとTaから表れるところを観想する。
オン・デヴィヤ・チャクシュシェ・フーンと右目に唱え、オン・ダルマチャクシュシェ・フーンと左眼に唱える。
次に金剛杵を用いて左目、右目の順に加持する。
最後に、オン・ヴァジュラ・チャクシュシェ・フーン・フーン・フーンと唱えて、智慧の眼として聖別する。


  
子供は眼の周辺に黒い縁取り(アイシャドウ)をする。
  
マハカーラ(大黒天:カーラバイラブ:黒い畏怖神)に供養の食べ物を捧げる人々
   オン・マカ・キャロニカ・ソワカ

  
マーケットのそばにある功徳のあるチィトヤ(仏塔)の一面。
骸骨(チチパティ)やプータ(死霊)さえも信仰の対象になっている。