ミルクババジへの想い

本名はラム・クリシュナ・ダース。

ネパールのカトマンズ生まれ。
74歳。

食事はミルクだけで生きることを決意して19年。
現在はアメリカのヒンドゥー寺院と
ネパールのパシュパティナート寺院を住みかにしているサドゥー(行者)。

足まで延びる長い髪の毛をターバンのように頭に巻き、黄色の紐で留めている。
165センチ程の身長はやせている体格のためか、背が高くすらりと見える。
長い顔はあごが四角く、意志の強さを表現している。

眼は透明な湖のように、果てしないほどに深い。
心が内側に入ってしまうと、そこの空間がぽっかり穴が開いたようになる。
世間を拒否するイエス・キリストのような風貌。


世間虚仮・唯仏是真(せけんこけ・ただ仏これ真実)と述べた聖徳太子のように、
世間の価値観を否定している。

何も言わないのに「君たち、あくせく働いて何をしようとしているんだい?」と
言われているようになる。

彼は一切仕事をせずに、喜捨だけで54年間生きてきた。
世捨て人・サドゥーの存在は、人生は社会的価値観だけではないことを教えてくれる。

私に、食事をする喜びを捨てることはできるだろうか?


アメリカに行くときも、チベットのカイラスの山に修行に行くときも、一人。
いつでも一人で生きている。

群れることを拒否するその教えは「サイの角のように唯一人歩め!!」
と言葉を残した釈迦の生き様とも似ている。

社会に参加せず、社会の中で生きている。

修行方法は、マントラヨーガ。
数珠を繰りながら「ラーム・シータ。ラーム・シータ・・・・」
と ヒンドゥー教の神様と后の名前を何回も唱える。

今まで三回、目の前にラームとシータが顕現したそうだ。
話をしている途中でも、突然、数珠を繰り出すことがある。

現世に生きているのに、魂はすでに来世に行っているのだ。


     

私にとって、チベット仏教のお坊さんは教えを受ける先生。
やればそこまでいけそうな気がする。

でもミルク・ババジは、違う世界にいる宇宙人のような存在だ。

最近の私にとって、彼の小さなお堂の中で一時を共に過ごすことが、
最高の至福のときだと思えるようになった。

言葉は要らない、ただ共に過ごせるだけでいい。

彼の世間に対する想いが、私に染み込んでくる気がする。

そして私は生まれ変わる。
そう願っている。