高野山得度の旅  身駆使意
夏の得度

高野山の常喜院で得度しましたが、本当の修行はこれからだと考えます。

妙な表現ですが、私の場合なぜか、心のよりどころ、迷ったときに立ち返るポイントが、
今現在は「得度した」ということになってきています。
つまり「得度後」をどう生きて修行していくかでございます。

日本には四季があります、すでに10月になり涼しくなった今となっては、夢の中の出来事のようですが、
まだ、残暑の残る9月17日18日、かねてより決めていた高野山へ得度の旅に出かけたのでございます。

9月中旬といえど昨今の異常気象でとにかく暑い、京都も大阪(金剛)も高野山もどこも暑いので、
終始「ぼ〜」とした状態が続いていたかもしれません。


京都

早めに京都について、ちょっと神社によってきました。さすが京都です。
ちょっと足を伸ばせば、寄り道するところはたくさんあります。

10:20  少し遅れ気味でしたが八条口集合で、初めて会う方もいらっしゃいましたが、
会うそうそう、お話の花が咲いたのでございます。


東寺

皆様8名、タクシーで東寺へ着きますが、大日如来様がここぞとばかりにかがやいて、
真夏の暑さ、しかも境内が広いので移動が大変で、汗が出てきています。
講堂で大日如来を中心にした立体曼陀羅を拝観です。

確か十年以上前に一度見たきりです、二回目の拝観ですが、
こんなに大きかったかなと以前より大きく感じました。

東寺 講堂

たくさんの仏様がおいででございます、これは得度のレポートなのですが、
自分でも興味があるので、調べて簡単にまとめてみました。

堂内中央に五仏、五智如来というグループで、中央に大日如来、東に阿閃如来、西に阿弥陀如来、
南に宝生如来、北に不空成就如来の五尊です。
堂内右側には五菩薩、中央は金剛波羅密多菩薩、東の金剛薩?菩薩
西の金剛法菩薩(観自在菩薩)、南の金剛宝菩薩、北の金剛業菩薩の五尊です。
この五尊の組み合わせは珍しく東寺だけのようです。

堂内左側には、五大明王、不動明王を中心に東の降三世明王、西の大威徳明王、
南の軍荼利明王、北の金剛夜叉明王の五尊です。
さらに如来・菩薩・明王の密教世界を守るように四天王、東に持国天、西に広目天、
南に増長天、北に多聞天の4尊と梵天と帝釈天を加えた六尊で守りを固めています。


仏の三つのグループ

如来、菩薩、明王のグループには深い意味があるようで、密教では三輪身説ということで
一尊のほとけが自性輪身、正法輪身、教令輪身という3つの姿をとることが説かれていて、
自性輪身とは真理や悟りの境地そのもので五仏に相当し、正法輪身は真理を説く者で五大菩薩に相当し、
教令輪身は説法によって教化されない者を力づくで導こうとする者で五大明王に相当する、ということ、、、
で詳しくは皆様勉強してください、きっと新しい発見があるはずでございます。

私は今回、調べてみて初めて、この東寺の仏様群の意味を知りました。
こういうことをある程度調べて、きちんと解った上で、拝観に行くと良いのでしょうね。

それにしても、他の仏たちと違って、特に梵天の非常に人間の生身に近いような雰囲気、
今にも動きだしそうな目、表情、姿勢など、が尋常ならざる気配で、梵天にひきつけられてしまいました


東寺 金堂

金堂も大きいです、入った瞬間に圧倒されます、薄暗いお堂の中で
月光菩薩、日光菩薩と台座の周囲に十二神将を配した薬師如来、
講堂のグループ群での仏様と違いシンプルな三仏だけで金堂を占めています。

薬師如来を拝見していると、暑さのせいかぼ〜として、後ろの後光が一瞬白くなったり、
また、月光菩薩の持っている蓮の茎がぐにょっとまがって見えたりで、一瞬ぎょっとしましたが、
気温が30度以上もあるのでしょうがないのでございます。
皆様方も、いろいろ御仏を感じているようでございました。


南海電鉄高野線 金剛駅から高野山へ

京都駅から難波へ、昼食をいただき、金剛駅へ急ぎました。
郊外の私鉄沿線で、休日の午後、人はまばらでした。
駅から比較的近いところで、レンタカーを2台借り、
まず、カーナビを丹生都比売神社セットして出発です。
私の乗る車は、今回得度する予定のもの4名全員が乗車する「得度号」です。

地元のすれ違うのがやっとという道路をぬけたりしてまず橋本へ、
ここから右折して、川沿いに丹生都比売神社を目指します


得度号  なぜ得度か?

乗車してすぐ、話を始め、結構話は盛り上がります。
もちろんお話の中心は、なぜ皆さん得度するのか、結局そういうことです。
自分のことを言いますが、簡単に説明すると、
現状から進化解放変化上昇したいというのが本音でございます。

今よりも進化したい、何かにとらわれていて解放されたい、良い状態に変化したい、
今の心の次元から上昇したい。

何かにとらわれているからこその行動が「得度」だったのです。
四人ともに結構多少の違いはありますが、似たような状況で得度を行うような気がしてなりません、
だからこそ、このときに集まってしまった四人なのです、
大げさですが、お約束の四人、恵明、醍剛、秀蓮、雀雲
運命を感じます。ほんとに。


丹生都比売神社は? 得度号座礁す!

高野山が最終目的地でありますが、まだ、丹生都比売神社には到着しません、
なぜか、前を走る車が左側に止まっています、しばらく待つと、Uターンして行きます、
少し後ろにとまっていた得度号も、あとに続けと左折できる道路の手前から、
左にハンドルをいったん切って、Uターンしようとしたところ、
「ゴリゴリ〜」という音とともに道路の縁石に乗り上げてしまいました。

座礁でございます、いったん皆さん降りて、車の状態を把握しました。
ハンドルを右に切れば、ぬけられそうということで、そうすると、御仏のご加護か、
割にすんなりと、抜けられました。

結構広い道で、こんなことあるかと、思うようなところです、ここまできて心の迷いの成せる業ですか。
縁石に乗っただけで、車には何の異常もございません、やはり御仏のご加護でしょうか。

Uターンの意味は、時間もないので、丹生都比売神社にはよらずに直接このまま、
高野山に行きましょうと、いうことで、多少戻ってから、山道を上へ上へと走ることになりました。
まあ、前回の高野山への道に比べたら、全然安心して走れる道です、
この心の油断がいけなかったのかもしれません。


高野山

そんなこんなで、山道も終わり、高野山に到着しました、
全員得度予定者の乗車する「得度号」は、明日着ることになる、法衣を
受け取りにいきました。

本日は祝日で店は休みですが、あらかじめ電話できいてあるとおり、チャイムを鳴らすと、
店の中へ通されました。

注文してあるので、代金と引き換えにそれぞれの法衣一式が風呂敷に包んであり、受け取ります、
一応念のためになかを開いて、襦袢など体に合わせてみて、着丈など大丈夫か確認しました。
皆さん、きちんと自分の法衣一式を受け取りました。

道を挟んで向かいの店で塗香を購入してから、車で数分なつかしい常喜院です、
車ごと寺の門をくぐり、中庭に車を止めました。


壇上伽藍

明るいうちに着くことができましたので、夕食までの短い時間、壇上伽藍の見学に行きました。
御社からほぼ順に見学していきました。

ここはさすがに聖地という雰囲気です、人気のない夕暮れ時の御社がほんとうに神聖な気を放っています。
祝福するような心地よい風が吹いてきました、皆さん満足気でございます。

短い時間なので、有名で大きな建物中心に祈りました。
いつもあわただしい見学なのでいつか時間をとって、ゆっくり見学したいということで、調べたところ、
壇上伽藍を成すもの、根本大塔 金堂 六角経蔵 御社 山王院 西塔 准胝堂 孔雀堂 
御影堂 三鈷の松 不動堂 愛染堂 大会堂 東塔 大塔の鐘 三昧堂 六時の鐘 蛇腹道 蓮池 
ということでございました。

自分に関係の深い、孔雀堂、愛染堂などがあることは、初めて知りました。
さらに大門、霊宝館、総本山金剛峯寺をいれて半日〜一日ぐらいの時間をとって、
いつかゆっくり見学するつもりです。


夕食〜就寝

おいしい精進料理の夕食です、アルコールが入り、特に得度をひかえた方々は、饒舌になっています。
明日の得度を前にしているのですが、以前に得度を見学しているせいか、いろいろ話を聞いているせいか、
人数のせいかあまり緊張感はありません。
本日の疲れでいい気分になってきています。

部屋に戻り、着物の着付け教室が始まりました、四人でなんとか着てみると、
なんと皆さん、わりと似合うではありませんか。
その後も、お茶を飲みながら、にぎやかにお話をしたりして夜は更けました。



早朝から、本堂でお勤めに参加いたしました。
今回はどうも理趣経をよんでいたようです。
最後のほうですが、参加者のためにわざわざ、先祖供養、家内安全、、、、など、
祈りの言葉を入れてくれてありがたかったことこの上ないです。

広間で朝食をいただいて、いよいよ得度式へと進みます。


丁子湯

まず、得度式を受けるものは、丁子湯に入って穢れをおとします。
ここは、風呂が二箇所あるのですが、最初間違えて、大きいほうの風呂にいってしまい、
昨日の残り湯で、逆に穢れてしまいました。

小さいほうの風呂で、きちんと丁子湯に入りお清めしましたが、
寺の方に何も聞かなかったが悪かったのですが、ちょっと落ち着きがないようでございます。
長襦袢に着替え、いよいよ本堂へ進むのでございます。

黒い衣と、黄色の袈裟は、得度式中に着ることになるので、担当の僧に預けました。

得度式

まず、4人そろって、准胝観音の真言「おんしゃれいそれいそんでいそわか」を唱えます。
4人で唱えると、微妙なハーモニーというか倍音効果というか、
4つの声が重なって、良い響きに聞こえます。

このあたりから、心ここにあらずといったような、ぼ〜とした感じが終始つづいていて
あとで思い出すと霧に包まれた感じになってしまいます。

ご住職が本堂に入場して、得度式の壇に着きました、我々もそこに移動して、拝礼、三礼です。
このあといったん隣の部屋に戻り、三箇所の剃髪の後、黒衣を着せていただき、ご住職の前に戻りました。

式は進み、真言を唱えたり、授戒でしたか「よく保つ」とこたえたりして、得度の証明書をいただきました。
さらに黄色い袈裟をきせていただき、念数をいただいて、三礼です。
その後、全員で般若心経を唱えたりするところなどあって、終了となりました。
般若心経はその場にいる全ての方が唱えたので、かなり良い響きに聞こえたようにおもいます。

実は今回、念数をいただいた後の三礼で、緊急事態がございました。
ここの、最初の三礼の立ち上がるところで、畳の上に私の念数がざざっと落ちました、
その後、皆さん4人ともに合わせるようにざざっ、ざざっと念数を落としました。
ああ〜なんと罰当たりな4人でしょうか。

左手に念数をかけて、三礼するのですが、着物の袖の上に木の念数なので
非常に滑りやすかった、というのが真相でございます。
袖の上に念数をおいたのですが、本当は袖の上ではなく、手の腕の上に直接引っ掛けるのだそうです。

式後に先輩僧に念数は絶対におとしてはいけません、気合が足りないのです、
などといわれましたが、そのとおりですね。

なんというか、あっという間に終わってしまったというのが率直な感想ですが、
恵明、醍剛、秀蓮、雀雲は、晴れて得度式を終了したのでございます。
証明人の皆様も本当にお疲れ様でございました。


奥の院

黒衣に袈裟姿のままで、奥の院へ、空海様に得度の報告でございます。
着物姿で車の運転は始めてです、アクセル、ブレーキは意外と普段と変わりませんが、
ハンドル操作は袖がシートベルトにおかしな具合に締められていて少しやり難いようです、
またドアを閉めるとき袖が挟まったりして、裾より袖が邪魔です。

駐車場に着いて、徒歩(下駄)で、墓地の中を奥の院へ向かいます。
休日の次の日ということで観光客はまばらですが、信心深い年配の方などは、
私たちに向かって手を合わせています。
う〜ん、こちらも、しょうがないので、手を合わせ頭を下げます。
こんなにわか坊主に手を合わせるなんて、もうこそばゆい感じでございます。

奥の院の護摩堂に着くとちょうど空海様の食事の儀式をみることができました。
千年以上前の昔から、現在まで、毎日絶えることなく脈々と続いている伝統の儀式を
目の当たりにできたのは幸いでした。

裏の御廟にまわって般若心経を皆で唱えました。
唱えている最中でした
大きな山鳥(雉鳩)が右からやってきてゆっくりと左にとおり過ぎていきました。
鳥に縁が深い私はもう、心の中で、吉祥瑞祥守り神、という感じでございました。
空海様ありがとうございます。
しかし、空海様の残りご飯を食べているのか、丸々と太った山鳥でございました。


帰途(再トライ丹生都比売神社)

いったん、常喜院に戻り、ほんの少し時間があったので金剛峰寺へ行きました。
時間の都合で、御朱印だけでしたが、是非今度はゆっくり時間をとって見学したいものです。
お昼を食べて、常喜院をあとにしました。

昨日、行くことができなかった丹生都比売神社によって参拝して、帰る予定です。
しかし、なぜか今回も目的の丹生都比売神社にはたどり着けずに、観光バスに導かれ
丹生官省符神社に行ってしまいました。

ここは石段の上にある、見事な朱色の世界遺産にも登録された神社でした。
さらに境内で神主様と目があってしまい、解説しましょう、という
せっかくのお言葉に断ることもできずに、神社由来の解説まで始まり、
ちょっと残念でしたが、時間がないのでレンタカーは金剛駅へ向かい
丹生都比売神社はあきらめ帰途についたのでございます。

帰ってから調べましたが、もう少し、川沿いに走って左に曲がるようでした、
するとまず丹生酒殿神社があり、そこからさらに山奥に走ると、
その奥のほうに丹生都比売神があるように地図に載っているのでした。


得度のその後

得度後ですが、自分が少し変わってきたように感じます、ありがたい変化かもしれません。
以前より、少しだけ気合が入ってきたかもしれません。
まあ、ほんの少し元気になった程度ですが。。。。。

良いことも悪いこともやや活性化して来ているような気がします、
うまく表現できませんが、私が関わる物事のスピードが、早くなっているような気がしています。
こういう状態が長く続くといいですね。心がけ次第かもしれませんが。。。。

今後、全国の社寺で行われている修行体験などに、宗派を問わず参加してみたくなってきていて、
特に修験系に興味をそそられています。

実家の父母に得度の証明書、写真、念珠などもって行って見せました
なかなか法衣が似合うね、などと笑っていました。
仏教好きの爺ちゃんが生きていたら、さぞおどろくことでございましょう。

そのうち、実家で法衣を着てきちんと、亡くなった爺ちゃん婆ちゃんに
般若心経なりを唱えるつもりでございます。