黒山三滝と役の行者
2008年11月

「4人を滝行に連れて行ってくれませんか?」

電話を受けたら・・このような申し出があった。

「なんで?」

「いや〜友達が子供が出来て、親になるためのお祝いです。」

このコトバを「通過儀礼」を求めていると思い・・
真言宗がやるんじゃ〜と慶んでお受けした。

三連休の真ん中。
道は少し込んでいたが・・いつものように穏やかな日差しの越生に着いた。

黒山鉱泉に車を置き、本尊にご挨拶。
男滝と女滝のそばに小さなお堂がある。

そこで待ち合わせた依頼主にすれ違った。
男4人女2人の組み合わせだった。
一緒にお堂で・・三禮や般若心経を唱え滝に向かった。

さすがに天狗滝に入ると寒風が吹き、異様な雰囲気だ。
今日は飛び入りのK君も静岡から参加している。
初心者5人が無事・・1分半我慢できるだろうか?

子供の出来たI君から滝に入り、おびえることもなく我慢した。
次から次に滝に入り、興奮も冷め遣らない面持ちで・・温泉に向かう。
そう・・ここは滝の後に温泉に入れるのだ。

滝を降りて・・鉱泉に向かう際に・・ふんどしにジャンバー姿の人々とすれ違った。
滝に入る様子だ。
20人から40人はいるだろうか?
すごい団体だが、雰囲気が違う。

下っていったらば「道精神を取りもどせ」と書いてあった。
右翼の団体だった。男滝で皆が滝行をしているのだ。

右翼と坊主・・共に同じようなことをしているのかもしれない。
国が官僚の悪政により滅びていくことを危惧しているのだから。

   

鉱泉に入ると参加者は遠足の際の子供のように、体験を語りあう。
そう・・・辛い体験を共にすると・・仲間意識が・・親近感がわくのだ。

4人のメンバーは帰り、私たち3人は天狗滝の裏の山を登り始めた。
40分の登山で「役の行者」の像に着いた。
秋の日は落ち初め、枯れ葉の山道に木漏れ日が差し込んでいる。

その枯葉の広場の奥に、等身大の「役の行者像」は鎮座ましましていた。
赤鬼と青鬼を従えて。
役の行者の後ろには・・大きな気が天に向かっている。
樹木の神をたたえているのだ。

   

「誰がこんな大きな像を・・ここまで持ってきたんだろうね?」

周辺の大掃除をして心経と南無神変大菩薩・・の御宝号を唱えた。

逆光の日差しに誘われて奥に行くと・・神奈備山がそびえていた。
「あそこが奥の院だね?」

誰がこんなところに修験道場を作ったのだろうか?


     
       

山は美しい。

木々の間から漏れる秋の柔らかい日差しが、
落ち葉にジグソーパズルの模様をつくる。


滝と山の修行は、ハイキングではない・・ということで、
先週Yさんの装束を笑っていた私が、芝公園から「白衣」で歩き始めた。

エアー・ジョグ(3900円)と白羽織(2500円)は浅草でそろえた。
鉢巻は「高尾山修験道」。
手には般若心経の金剛杖(1280円)。
白衣の作務衣(7500円)はテトロン製の筒袖。
白羽織は後ろに「南無大師遍照金剛」が書いてある。
白い手甲(1580円)も用意してしまった。

愚者に見えるかな?

右翼の人と違って・・これが私の精一杯の現世批判。