ダライ・ラマ14世講演会
2005.4.9

「真の人間関係を築くためには、他人に対する愛情と思いやりが重要です。」

チベット仏教の最高指導者・ダライ・ラマ14世が4月9日、東京両国国技館で5,000人の人々を前に講演しました。
日本政府は「分裂主義者」と名指しされているダライ・ラマには政治活動をしないことを条件に入国ビザを発給しています。

チベットでは1959年人民解放軍の侵略により10万人あまりのチベット人が殺害され、
ダライ・ラマも故国を追われインドに亡命しました。

1965年には独立を目指すデモや暴動が起こり、戒厳令を布告され独立運動は弾圧されました。
その後も中国政府は首都ラサに多大の資金と漢民族の人材を送り込み、中国化されつつあります。

独立運動に対する迫害は激しさを極め、国境を超え逃亡を企てるチベット人は後を絶ちません。
亡命チベット人は40万人にも上るといわれています。

先月の10日、ダライ・ラマは「中国がチベット文化を保証するなら、チベットが中国の一部であることを受け入れる」と発言しました。
2003年に亡命先のインド政府が、中印関係の改善を模索していることにあわせた発言でしょう。

分裂から自治を目指す亡命政府に対して、中国政府は
「チべットは中国の不可分の一部であり、台湾も中国の不可分の一部であることを承認する公式声明を発表すべきだ」と
強気の姿勢を崩していません。


講演会(法話)は因果律、相互依存(縁起の法)を中心のお話で、会場一杯の拍手を浴び、聴衆の質問に入りました。

・ 両親による虐待事件の質問には、因果律を引用しました。
 「子供のときに虐待されると、大人になって虐待すると聞いています。大変難しい問題です」との回答でした。

・ 憲法九条の質問には「知らない。」との苦渋の回答を出されました。

・ 子供の教育に対しては、「人間性の喪失は近代国家に共通して見られる傾向で、
 知識だけでなく内なる価値観を高める努力が必要だ」と述べられました。

・ 人間として生まれてきた目的は?来世はあるか?との質問には、「過去世は過ぎてしまったこと、執着しない」
 「他人に対する暖かい思いやりを心がけていくことこそ、今世の目的」との回答でした。

・ 子供を殺した犯人にどう接するかとの質問には、「死刑制度には反対で、原因を取り除く努力が必要、
 人の心には改心する心もある。」と回答されました。

・ 破壊的感情をどう収めるか?については、「社会的には難しいが、宗教的には心を見つめること」を勧められました。
 法話の目的もこのような心を作るために為されるのでしょう。



仏教では自分の延長が他人であるとの思想があります(自他不二)。

この思想が思いやりの思想につながります。
環境が自分であるように他人も自分なのです。
その思いを強くするために瞑想をし、法話を聞くのです。

あなたも一緒に考えてみませんか?