宗教象徴学の中で、眼を考えてみましょう。
カトマンドゥの中央はスワヤンブナート寺院です。
写真では多くのチャイトヤ(仏塔)の奥にストーゥパ(卒塔婆)がそびえ、
その中央に半眼になった目が描かれています。
眼は覚りの智慧の象徴です。

私たちはまだ眠っていて目覚めていません。
その状態を無明(知らない)といいます。
まだお母さんのお腹の中(マトリックス=胎蔵世界)にいるのです。
あなたにそのことがわかるようになると、目がそっと見開かれます。
半眼になるのです。智慧が手に入るのです。
瞑想の際の半眼は、肉眼の二つの眼で見るのではなく、
額の眼(サードアイ)で見ろという教えの象徴です。

それではお母さんのお腹の中はどのような象徴でしょう。
ヒンドゥー教の世界ではヨニとシヴァリンガの合体がそのシンボルです。
天に向かって突き上げているシヴァリンガ
(精神世界と物質世界を結ぶもの=天の御柱=ヤッキン・ボアズ)。

それを囲んでいるヨニ(物質世界)の合体像がカトマンドゥのいたるところところにあります。
今、生まれたと思った私たちは・・まだお母さんのお腹の中なのです。
そして世間の人たちが言っている、死とは・・・宗教的価値観では再生であり、
死ぬこととは精神世界(魂のふるさと)に帰ることなのです。
スワヤンブナート寺院にはチャイトヤ+シヴァリンガの石造もあります。

宗教象徴学において死を思え(メメントモリ)こそ、覚りへの道筋なのです。
スワヤンブナート寺院入り口の仏塔前には石のバジュラが置かれています。
これは仏教におけるシヴァリンガ(男性性・精神性)の象徴です。
下に置かれている丸い円盤は、女性性・物質世界(マトリックス)の象徴です。

この円盤こそが、曼荼羅世界であり、四角と丸と三角で、神聖幾何学の図形が描かれています。
バジュラは1と2と5と10の象徴性のシンボルです。
この道具を持つことで私たちは高度の意識に変容でき、
精神世界の強力なエネルギーを手にすることができるのです。
映画スターウォーズのジェダイの騎士たちは、この棒をエレクトリックソードとして使用できました。
修行者にとっては、念を氣のエネルギーとして照射できるのです。
マンダラは覚りを得るというサンスクリット語からきています。
真如の世界のことをマンダラと呼びます。
ところが日本語の語源として、「マダラ模様」となり・・・
バラバラでよくないというイメージが付加されてしまいました。
個というものの存在しない真の世界は、みんな違ってみんな良い・・・
マンダラ世界なのですが・・・!!
マンダラとはストゥーパ(卒塔婆)を上から見た平面図であり、
見つめるだけで覚りを開けるるという絵画なのです。

密教では心の世界は階層的に出来上がっていると考えます。
表層に自我意識があり、その奥にある最初の無意識をマナ識(自我にこだわる心)といいます。
次の無意識がアーラヤ(蔵)識です。
ここには多くの前世体験が埋め込まれていますので、夢の中や催眠療法により、
前世の記憶を導いてくることもできます。
この埋蔵物(埋もれた記憶)を掘り起こし浄化させるために、
密教では瞑想やお経による修行が必要になると考えているのです。
犯人が去ると足跡を残します。
お釈迦様が亡くなってから人々は彼の業績をしのびその思いを残そうとしましたが、
直接の形を描くことははばかられ、足の形を描くようになりました。
その足型は毎朝ティカによって祭られています。
この写真はカトマンズ旧王宮の御神木の祠にある足型です。
「すぐれしもの」は眼に見えないという象徴なのです。

「眼に見えないものしか信じられない」近代人の叡智とは、何なんでしょう?
「次元を超えたものの存在」は低次の次元では見えないのです。
お釈迦様が覚りを開いたとき、雨が降ってきてそれを避けるために
多くの龍が傘のようにお釈迦様を守ったとされています。
この写真ではその中央にシヴァリンガがあり、
黄色い三叉戟と赤いオームの文字が描かれています。

ナーガは流れるエネルギーであり、水の神、竜巻の神なのです。
クンダリーニを上昇する三巻半の覚りのエネルギーなのです。
雲がこの形になることもよくありますので、観察してみてください。
カトマンズは周辺を低い山々に囲まれた円の形をした都市です。
宗教者はこれを蓮華世界と呼び、神の世界がこの世に降りてきたものと考えました。
日本では江戸が風水の智慧を込めた都市として天海上人により作られています。
その天上世界というイデアを、この地に降ろすため多くのレリーフや仏像を、
町のいたるところに散りばめたのです。
錬金術ではこの考えを「上にあるものは下にあるものの如し・As above So below」と述べています。
そのために風水都市として、エジプトのオベリスクをパリのコンコルド広場に持ち込んだり、
ワシントンに持ち込んだり、ペンタゴンという五芒星の形態エネルギーを軍事基地に使用しているのです。
これは深層意識における最先端科学なのです。

カトマンズの西200キロメートルの地、登山基地ポカラの朝日です。
太陽は熱エネルギーを地球に与え、緑の世界を作り出しています。
太陽系惑星・地球は太陽の存在なくして考えられません。
だから大日如来というシンボルは、太陽をあらわしているのです。
その力(エネルギー)はすべてに浸透し、生きとし生けるものを育んでいます。

そのことを仏教用語で「神・仏が内在している」といいます。
ところが日々の生活では、なかなかその太陽を見ることはありません。
朝昇る太陽は、昼の太陽よりも多くの「気力エネルギー」を持っていて、
病気を癒す力にもなるのです。
ぜひ皆さんも、たまには早起きをして朝日のエネルギーを受けてみませんか?
スワヤンブナート寺院の中に、ブータン寺があります。
その本堂の横にある大黒天のお堂からは風のように氣エネルギーが流れてきます。
上部の扉が開いて金網になっているのです。
扉の周囲には死を乗り越えたものの象徴として、頭蓋骨拝(カパーラ)や頭骸骨の絵が描かれています。

紺色の顔は大黒天がアシュク如来の化身(アバターラ)であることを示しています。
魔を持って魔を懲らしめる、密教思想の象徴性があふれているのです。
ネパールのパシュパティナート寺院には、ミルクしか飲まずに生きる行を選んだ
(どこが偉いんじゃい!!)ミルク・ババが居ます。
欲望が人の心を虜にしてしまい、メクラ(無明)にさせると仏教やヒンドゥー教では考えています。
ヒンドゥー教では髪の毛を伸ばし放題にして、顔にペインティングをすることで
行者であることのしるしとなり、バクシーシ(布施)を受け取る資格を得るのです。
日本では髪の毛を切ることで、異形の風体となり修行者となるのです。

欲望からの誘いを断って、気楽に生きていきたいものです。
