声字実相義
声と字による真実世界の探求
声字実相義



弘法大師空海の作に、声字実相義があります。


如来の説法は、必ず文字による。

文字の所在は六塵(色声香味触法)その体なり。

六塵の本は、法仏の三密すなわちこれなり。

平等の三密は法界に遍じてしかも常恒なり。

仏教の教えは、実相(現実の真実の姿)とは何かを探求する旅でした。
釈迦は、欲望にまみれた現実世界とは別の世界(涅槃)を求め、苦行に励みました。

そして最後にはその苦行を捨て「1:冥想」と「2:正しい考え」により得た覚りの智慧を元に
人々に教えを伝え始めたのです。

声による真実世界の探求・冥想


真言密教の「1:冥想法」の中心は声を利用したマントラ・ヨーガ(真言読呪)です。
密教にとって、人間の身体は粗大な波動(肉体)から微細な波動(意識)につながる、
一連の流れに過ぎません。

意識に内在した過去の思考傾向(カルマ)が発現すると、病気や災いが生じると考えます。
心身相関なのです。
そこで身体に良い波動を与えることにより、心身改善しようと考えます。

意識レベルが低く、すぐに悪口をいう人はそのコトバのエネルギーにより
カルマ(悪い思考傾向)を積み重ね、知らないうちに自らを傷つけています。
良いコトバを心がけることにより、このカルマは解消するのです。
中でも一番良い波動を持つコトバが、真言(マントラ)だと考えています。

真言の発声法は、四種類あります。
最初は大声で、次に自分に聞こえるだけの声で、舌の先だけで、最後には念じるようにします。
時と場合により使い分けてみてください。

太鼓の音と共に、大声で不動真言を唱えていると、意識が変容し超常現象が発生します。
マントラ・ハイになるのです。
また静かに光明真言や大日如来の真言を唱えて(念じて)いると、空の意識体験が生じるのです。
般若心経の100巻連続暗誦は特に強力です。
ぜひマントラ・ヨーガの実践と変性意識体験を味わってください。

文字による真実世界の探求・正思惟


文字による真実世界の探求は、字を読む(リーディングする・深く考える)ことから始まります。
文章を読んで真実を追究することは、その人の能力により大きな違いが出てきます。

仏教が始まったインドではサンスクリット語で文字を書きます。
これは意味のない文字を連ねた英語のような表現方法です。
この方法は抽象的な思考法に向いています。

ところが中国の人々は目に見えるものを尊ぶ象形文字である漢字を使って認識してきました。
そこで日本に伝わってきた仏教は、抽象的な思考法が苦手になってしまいました。

文字による仏教の解明を顕教(現れた教え)といいます。
顕教の教えを密教的に解釈し、文字の中の秘密(認識が世界を作っている)を、
漢和辞典を使いながら解いていきましょう。


シメスの文字の意味
 示(ジ・しめす)  神霊の降下してくる祭壇。
 そこに神々の心が示されるので、しめすの意味になった。
 後にの印に書かれ、神社などの神の祭りに関することを表す。
 宗(シュウ・そう)  みたまや、先祖を祭るところ。
 本家、一族の中心となる。
 開祖の思想、またそれを中心に集まった信仰の団体。
 ウ冠(屋根)+示(祭壇)で一族の集団。
 祭(サイ・まつる)  いけにえの供え物や祭壇を清める儀式を行い、神霊をまつる。
 月(にくづき=肉)+又(手)で清めの水のたれる姿。示が祭壇を表す。
 ネパールの南・ダッチン・カリー寺院ではカリー女神のために火曜日と土曜日に
 鶏とヤギの首を切るいけにえの儀式があります。
 タイルで出来た祭壇に血がほとばしり、ホースで水がまかれ洗い清められています。
 祀(シ)  つつしんで人為をこらし神の機嫌をうかがうこと。まつる。
 巳は耕作に用いる曲がったすきで仕事をするの意。
 示(祭壇)+音符・巳(仕事)で祭礼を行う。(祭祀)
 祈(キ・いのる)  斤は斧の刃を近づけたさま。すれすれに近い意を含む。近の原字。
 示+音符・斤で目指すところに近づこうとして神に祈ること。
 神に近づくことは危ないこと。
 神(シン・かみ)  神明・風・雨・雷など自然界の不思議な力を持つもの。天の神。
 申(シン・もうす)  稲妻の伸びる姿を描いた。雷の原字。
 「敬って申す」と祝詞を唱えることは、神のコトバの代弁です。
 「コトアゲ」といいます。
 稲妻は英語でサンダーボルトですが、このコトバはサンスクリット語でバジュラ
 日本語で金剛杵、チベット語でドルジェといいます。
 祇(ギ・くにつかみ)  地の神。氏+音符・示で氏神としてまつる土地の神。
 神祇=天と地の神。
 福(フク・さいわい)  神から恵まれた豊かさ。
 福の漢字の右側(旁)は徳利に酒を豊かに満たしたさま。豊かに恵む。
 祉(シ・さいわい)  神より受ける幸せ。
 示+音符・止で、神がそこに足を止めて福を与えること。(福祉)
 禍(カ・わざわい)  思いがけない不幸を与える。
 禍の旁(右側)は関節の骨がはまり込む丸い穴。
 神のたたりを受けて思いがけない穴にはまること。(禍福無門)
 祟(スイ・たたる)  鬼神が人に得体の知れない災いを及ぼす。またその災い。
 示(かみ)+音符・出で神の出てくるたたりを表す。
 アジアの神は災いをもたらす。
 禁(キン)  神域に林をめぐらし、出入りさせないさま。神を治めているさま。
 天子の居所(禁中)
 祷(トウ)  神に訴えて祈る。
 壽の原字は長い線+口二つで長々と祈ること。(祈祷)
 精(セイ)  きれいについて白くした米。よごれや混り気を取り去って残ったエキス。
 山川にひそむ神。
 雑念を交えずそれ一筋であること。(精神)
その他のスピリチュアルな文字
 霊・靈(レイ・たましい)  1、 形や質量を持たない清らかな精気。
 2、 形ある肉体とは別の冷たく目に見えない精神。
 3、 災いや福をもたらす不思議な力。
 4、 さとい、かしこい。
 5、水玉、つゆ。
 鬼(キ・おに)  大きな丸い頭をして、足元の定かでない亡霊。
 魂(コン・たましい)  魂は陽で精神の働き。丸くモヤモヤした火の玉。
 意識体の神の部分。
 魄(ハク・パク)  肉体を取りまとめてその活力となるもの。
 魄は陰で肉体的生命を司る活力。エーテル体。
 鬼+音符・白で外枠だけあって中身のないこと。意識体のエネルギーの部分。
 死ぬと骨に宿って墓に宿っている。
 お彼岸のさいに、山からやってきた魂と共になり、子孫の家に戻る。(魂魄)

 日本の葬式は儒教の思想「魂・魄」です。
 輪廻転生を信じているインドでは、骨は川に流します。
 チベットでは魂の抜けた肉体は、骨も身体も砕いて鳥に食べさせていました。
 私(シ・わたし)  禾(作物)をム(抱え込む)さま。エゴ。
 我(ガ・われ)  事物の根底にある永遠不変の実体。
 自分の考えに凝り固まること。自分への執着。
 禾(作物)+戈(ほこ)がぎざぎざになったさま。
 自(ジ・みずから・おのずから)  自の上の丶とは目のまえにある鼻を指す。
 自には二つの意味が含まれている・・・あいまいなコトバです。
 1、「みずから」自力・・・自分が行為して。
 2、「おのずから」他力・・・何もしないのに。
 分(ブン・わける)  八の印+刀で二つに切り分ける。
 精神と肉体にわける。二元論的に解釈する。
 白(ハク・しろ・もうす)  けがれのないさま。内容をはっきり申し述べる。
 象形文字でどんぐりの実の形。(自白)
 理(リ・ことわり)  宝石の模様の筋目。木の木目。
 きちんと筋道を立てる。すじが立って整っているさま。
 田+土で筋目の付いた土地。
 事(ジ・こと)  出来事。計算に用いる竹のクシ+手で筒の中に竹の棒を立てるさま。
 音(オン・おと)  口をふさいで出すウーという含み声。
 下や唇などの調整が加わった声を「言」といい、
 調整の加わらない声を「音」といった。
 言(ゲン・いう)  辛(切れ目をつける刃物)+口で口をふさいでもぐもぐ言うことを音(オン)といい、
 はっきりとかどめをつけて発音することを言という。
 声(セイ・こえ)  物の響き。
 声は石版をぶら下げて音を出す、磬(ケイ)という密教の楽器を書いた象形文字。
 殳は磬をたたく棒を手にもつ姿。
 暗(アン・くらい)  ふさがって光線が見えない。ひそかに隠れている。
 口には出さず頭の中で憶える。
 中に閉じこもって太陽の射さないさま。
 瞑(メイ)は暗くかすんで見えない。昧(マイ)は光がかすんで見えない。
 昏(コン)は薄暗くて見えない。晦(カイ)は日光の光がなくて暗いこと。
 冥(メイ)  ワ冠(おおう)+日(ひ)+六(入るの変形)で、日が入っているが、
 何かに覆われて光のないことを示す。
 瞑(メイ)は目をつむって何も見えない意味する。
 そこでメディテーションとは冥想と書くべきである。
 冥想は覆っているもの(煩悩=社会的価値観)を取り去ることになる。
 瞑想はただ目をつむって考えること。
 闇(アン・やみ)  閉じる。門を閉める。
 道理がわからない。黙って。月の出ていない夜。
 門+音符・音で中を暗くふさぐこと。