蛇神信仰
 
私たち日本人の信仰は、古代神話の上に、道教の神話(陰陽五行)、そして密教の神話(五大・三密)が習合しています。

                               


蛇を恐れる思い

中国の天地開闢の創生神は伏犠と女・女咼(じょか)ですが、人面蛇身の兄弟神なので、中国の祖先神は蛇なのです。

かたや日本の祖先神は鰐になります。

しかしキリスト教では、蛇は人間に智恵の実を教えた邪悪の権化です。


人類の蛇への敵視は、古代に体験した恐竜の畏怖があらわれたものかもしれません。
天文学者カール・セーガンは、爬虫類の脳、哺乳類の脳、霊長類の脳が、一人の人間のなかに混在しているというのです。


身殺ぎ=みそぎ


蛇の脱皮は、蛇に永遠と新生をもたらすもので、古代人はこの様を擬こう(もどく=真似する)と、
祭りの中でミソギ(禊)を行い、再生の儀式とした。


男性器としての蛇頭・モノザネ


蛇の頭部の形は男性器に相似しているため、生命力の象徴として畏怖、崇拝の対象になった。
稲作文明をもって渡来した弥生人にとっては、野ネズミを丸飲みする蛇の姿は、田を守る神に見えたのだろう。

蛇の赤く光り輝く眼は、ホオズキの形であり、立ち上がった時の男性器にも似た頭の形でもある。

とぐろを巻いた時の蛇は、物実(モノザネ)としての山であり、樹木の皮は蛇の肌のモノザネになる。

竪穴式住居は、とぐろを巻く蛇となり、うねうね伸びる蔓も地面を這いずる蛇のモノザネとなる。



古語・カカ

大祓いの祝詞をお読みになったことがありますか?

 「高天原にまします皇祖神は・・・瀬織津姫という神、大海の原にもちいでなん・・・・

 速開つ姫(はやあきつひめ)という神、持ち『カカ』呑みてん、

 かく『カカ』呑みてば、気吹戸(いぶきど)に坐す気吹戸主という神・・・。」


カカ呑むとは、邪悪なものを丸ごと飲み干す、蛇の呪力を現しているのです。

カカとは赤々とした蛇の眼光の光を現し、カガチ(酸醤)、ヤマカガシ(山酸醤)、ミズチ(水蛇)、オロチ(大蛇)などと呼ばれた。

蛇の全身が神の化身であり、頭部は男性器やカガ身(鏡)として見立てられ、尻尾は剣として三種の神器に選ばれているのです。

                               (蛇:日本の蛇信仰 吉野裕子氏 講談社学術文庫より抜粋)


密教タロット


蛇は正統派キリスト教に嫌われている、知恵を与えるシンボルです。

また蛇のペニスは二つに分かれ、絡み合うその交尾の時間は30時間もかかるというところから、
性的なシンボルとしても解釈されているのです。

蛇は生産や大地性の象徴なのです。