イギリス・ミステリーツアー 
〜天と地の交差点を訪ねて〜



 by 一天
どこまでも続く緑の大地、穀倉・放牧地帯の丘陵の中、
信号のほとんどない道を時速120kmほどで突っ走るドライブはとても爽快である。
日本と同じ左側通行は楽だ。

ロンドンヒースローで借りたレンタカーはもちろん日本と同じ右ハンドルだがマニュアル車、
ヨーロッパでは一般的な仕様である。

AT車が流行らない理由は、聞くところによると、燃費はもちろん、
運転を楽しみたいという車に対するこだわりがヨーロッパ人にはあるとのこと。

主に移動手段としてAT車で楽に運転したいと考える大概の日本人とは
対照的である。

久々のマニュアル車、確かに意図のままに車を動かしているという実感のある楽しさがある。
ただカーナビは標準装備されていない。

レンタル時にオプションリクエストすると代わりに携帯GPSが渡された。
画面は小さく見難い上、検索方法が「CityCenter」「住所」「PostCode」「座標」の4種類しかなく、
日本のように電話番号からの検索が出来ない。

ガイドブックには住所や郵便番号などあまり記載はないので、
目的地の町のCityCenterを設定するしかない。

この点はデマンディングでハイテク日本のカーナビがはるかに機能的で便利である。

ストーンヘンジ(StoneHenge)

美しい景色を見ながら、快適なドライブを1時間余り続けた頃、緑の平原の中唐突にそれは現れた。

堂々と聳える異様な環状列石、世界遺産のストーンヘンジである。

多くの観光客が取り巻いている。
周囲の平和で牧歌的な空間とは明らかに異とする巨大な石の建造物はまるで宇宙基地のようである。

                         

子供の頃「世界七不思議」や「世界のミステリー」的な本をよく読んでは
古代のミステリーワールドにわくわくと夢や憧れを抱いていたものだ。

確かエジプトのピラミッドやスフィンクスをはじめ、オリンピアのゼウス像、アレクサンドリアの大灯台等々、
現存するものや伝説・神話の世界の中で現在は原形をとどめていない建造物も多い。

そんな好奇心から、経済力がついてからの海外旅行は渡航テーマの大きな柱になっていった。

ペルーのマチュピチュやナスカの地上絵、ヨルダンのペトラ遺跡、イスラエルのエルサレム、
エジプト・ギザやメキシコ・マヤのピラミッド、チュニジアのカルタゴ、中国の万里の長城、
カンボジアのアンコールワット、スリランカのシーギリア、ミャンマーのバガン等々、

気が付けばこの20年時間の許す限り興味の湧く世界のミステリースポット巡りをして来たように思う。
欲深いことに正直まだまだ行き足りていない。

昨今のパワースポットブームでこういったテーマ旅行のスタイルが徐々に増えてきているようである。
そして今回は未開拓のイギリス・パワースポット巡りである。

パワースポットという定義はよく分からないが、いくつかカテゴリーがあるように思う。

1.歴史的な史所でその地と当時の人々のエネルギーを享受出来るスポット

2.大地の自然そのもので、地球エネルギーが噴出するスポット

3.先史文明からの遺跡や自然・地形を通して、宇宙エネルギーと交流出来るスポット

万里の長城やタージマハールは1の例、アメリカセドナは2の例、ピラミッドやナスカの地上絵、
そしてストーンヘンジは3の例である。

                         

ストーンヘンジはある程度接近できるが、今は保護の観点で直接触れることは出来ない。
でもその場にいるだけでただならぬ磁場のエネルギーを体感出来る。

入り口では世界10ヶ国以上の言語に対応したオーディオガイドが貸りられるが
この地の歴史や習俗等、想像の域のお話ばかりで、核心の目的や建造方法については判明できていない。

よく言われる太陽や月の動きの観測所や祭事用の神殿だけであったのだろうか?

恐らく岩と形状から、宇宙エネルギー、または神の降臨の"ひもろぎ"としての人工盤座だったのではないだろうか?

垂直に立ったストーンはモアイ像同様建造方法は想像の範囲だが、
水平に架けられた何トンもある梁のストーンは説明がつかない。

エジプトのピラミッド同様、重力を軽減する魔法や呪力で巨石を持ち上げたのか、
ナスカの地上絵のように宇宙人が手伝ったのか・・・

あいにくの雨混じりの曇天のなか、3000年以上前に誰が何の目的で如何にして建造したかを
あれこれ想像しながら約2時間のエネルギー浴を満喫した
レイライン(LeyLines)

日本ではあまり知られていないが、このイギリスには有名なセント・マイケルズ・レイラインという直線の
いわば龍脈がある。

氣の流れなのだろうが、聖地や教会、遺跡等を結ぶと直線になるということで
1921年にイギリスの考古学者によって発見されたとのこと。

見える人には線が分かるとのことだが残念ながら私の目には見えない。
このレイラインを少し辿ってみようと思った。
グラストンベリー(Glastonbury)

レイラインの中でも最もスピリチュアルスポットとして有名なのがグラストンベリーである。

グラストンベリー・トールという特に目の惹く標高150mほどの小高い丘の上にたつ塔(ストゥーパ)は
陰と陽の龍脈が交差しており強力なパワースポットになっている。

形的に男性性のシンボルでもあり男性エネルギーが強く、また他界への入り口とも言われている。
タロットでは神の家であろうか。


           

早朝、頂上に登りたった一人きりの空間で般若心経と理趣経を読経した。
天界に次元旅行しているような感覚になったが、暫くして現実に呼び戻された。

これまで全く見かけなかった日本人のグループ(ほとんど中高年の女性)が登ってきた。
皆無口で各自思い思いの場所を見つけて塔に手を当てて波動を感じたり瞑想したりしている。

スピリチュアルツアーなのであろう。
しばらくしてリーダーらしき外人が皆を集め講義を始めると、参加者のすすり泣く声が聞こえてきた。
感情の浄化プロセスなのであろう。泣き声が笑い声に変わり暫くして下山していった。

再び心静かに"空"のひとときを瞑想した。


               

このグラストンベリーはあの伝説のアーサー王が戦に破れ、
満身創痍でアヴァロン島に漂着し生涯を送ったといわれる町である。

伝説のアヴァロンとは「西方の楽園の島」でこの世の存在ではない島なのだが、
時は1191年、日本は鎌倉幕府設立の前年、グラストンベリー修道士が火事で焼け落ちた大修道院の再建資金集めのために
伝説を利用してでっち上げたとも言われているらしい。
確かにその後史実として裏付けるようにアーサー王とその妻グィネヴィア妃の墓が発掘されるのである。

内陸のグラストンベリーは湿地地帯の真ん中にあり島と呼ばれる根拠は一応あるようだが、
事実であろうと虚実であろうとブリテン島の国民にとっては重要な伝説のヒーロー縁の地なのである。

トールのすぐ麓にはチャリスの泉(Chalice Well)という、聖杯が眠っているという心安らぐ美しい庭園がある。
アリマタヤのヨセフ(イエスの叔父)が聖杯とともに訪れたという伝説の泉であり、ヒーリングスポットでもある。

泉に足を浸け庭園のベンチで静かに瞑想をした。
トールの力強さとは打って変わり優しい女性の愛と慈悲のエネルギーが伝わってくる。ご本尊は観音様?

グラストンベリーの町はクリスタルやヒーリンググッズ等のニューエイジショップが軒を連ね、
B&Bにも占いやヒーリング等のセッションサービスのオプション付きが多い。

セドナ同様精神世界に興味のある観光客の町なのである。
ショップを眺めているだけで興味が尽きない。