ルンビニの旅・3
ネワール密教


密教は、日本とチベットとネワール民族の間にしか残っていない。

ネワール民族とは釈迦族の末裔で、カトマンドゥの西南、パタン市に住んでいる人々だ。

ネパールは国教がヒンドゥー教だが、ネワール民族は仏教徒。
中心のお寺は、ゴールデン・テンプルと呼ばれ、金をふんだんに使った装飾がなされている。

友人のロク・チトラカール先生は、ゴールデンテンプルの壁画の修復も手がけている。

   

シャカ族のカーストの最上級は僧侶カースト「バジュラチャルヤ=金剛・阿闍梨」という氏名がついている。
彼らの中の選ばれた人が、今でもスワヤンブナート寺院で、加持祈祷を人々の前で行っている。

左手に金剛鈴を持ち、右手に金剛杵・・曼荼羅台の上で供物を降り注ぎ、神仏を招来している。

この儀式の有様を眺めながら、知的好奇心に駆られ・・高野山に通ったのです。
彼らの法具の使い方や、その意味を知りたくて・・50回にも及ぶネワール通いが続けられたのです。

法具からは「氣」が出ている。
これがわかると「気功」の「盛鶴延先生」の元に通い、密教の奥義が徐々に解けてきました。


バジュラ・ヤーナ=金剛乗


密教は、バジュラ・ヤーナとも呼ばれる。
バジュラという道具で加持祈祷をするからだ。

バジュラはサンスクリット語。チベット語ではドルジェ。
日本語では金剛杵。英語ではサンダーボルト(雷)となる。

写真の独鈷(ポイントが一つのもの)は、宝石がちりばめられていて、高級すぎて私には買えないが
このような道具のエネルギーで加持祈祷をするのだ。

     


スワヤンブナート寺院には、1,5メートルほどの巨大なバジュラがストーパの前に
結界を張るように置かれている。



バジュラを使ってヒーリングをする人々の中に「ハルティマタ」というお母さんがいる。
ハリーティとは、日本では「カリテイ母」と呼ばれる鬼子母神の事を指す。

   

彼女たちは不思議な体験をきっかけにして、お寺で修行し、家に戻り加持祈祷をするのだ。
魔女・・と西洋では呼ばれてしまうだろう。

彼女たちの世界観が一般の人とは大きく違うのだ。
まんだらやは、このような人々の集うところになれたらいいなと思っている。

パタン市の一角、毎週火曜日と土曜日に祈りがあげられる。
米や酒の供物を捧げ、むせるような線香の煙で浄化され、灯火が聖なる場所を浄化する。

その後、聖座に座り数珠や貴金属が身につけられ、彼女に「鬼子母神」が降りて来る。

このときに右手に持って、エネルギーコントロールする道具が、
金剛杵の内の独鈷杵(プルパ)なのだ。

祈りと歌によるバジャンの後、人々は悩みや苦しみ、病気や相談事を打ち明ける。
報酬はお金だけでなく米や花などのこともあるようだ。


ヴァジュラヤーナの寺:ゴールデンテンプル


入り口をアウンの獅子に守られ、内庭の回廊式の建物がネワール仏教の特徴だ。
多くの象徴性が描かれていて、入り口の上部には曼荼羅が描かれている。

   

左手の小さな祠には、大黒天が祀られている。
内庭は一段低くなっていて革靴と革のベルトは着用禁止だ。

こじんまりとした回廊式の庭の中央は四角い祠があり、五智如来が東西の周辺を守っている。
その中間を五菩薩が守っている。

正面の位置には本尊が置かれ、前にはヴァジュラが結界を張るために置かれている。

    

正面の本尊の両脇にも・・かわいらしい獅子丸が置かれている。

    


石のレリーフには、赤いティカが塗られ、供養されていることがわかる。
観音菩薩の特徴は右手が長いこと。

    


観音菩薩の精神的親ともいえるのが、二階に描かれている阿弥陀如来だ。
五智如来の伝統によると、東は紺。南は黄色。西は赤。北は緑。中央は白の身体として描かれる。

      


東は阿シュク如来。南は宝生如来。西は阿弥陀如来。北は不空成就如来。中央は大日如来となる。
それぞれの意味は日本の真言密教と共通だ。

作者は、ロク・チェトラカール先生。