昔々、お釈迦さまが弟子達と池のそばにたたずんでいました。
それは満月の夜でしたので、美しい月が池のおもてに映っていました。
弟子達が口々に池に映る月の美しさをめでていると、
お釈迦さまが右手で上を指差してこう言いました。
『これが真実だよ!』
この声を聞いた弟子の一人は下を見ていた顔をあげて、
声のするほうを見つめました。
人差し指が拳から突き上げている形を見て、『そうか、わかった!!』
彼は一人でうなずきました。
その翌朝、人ごみでにぎわう町角にその弟子はたたずみ、
人々を前にして、崇高な教えを説き始めました。
彼は自分の人差し指を天に突き出しながら
『みんな、聞いてくれ、これが真実なんだ!』と叫びました。
不思議そうに指を見つめる人々に向って彼はまた叫びました。
『あの偉いお釈迦さまがそう言ったんだから、間違いではないんだ!!』