ネパールのフィールドワーク・2
ネワール密教寺院:スワヤンブナート(生まれてないもの)


カトマンドゥに着いて3日目、西側にあるネワール仏教の目玉寺、
山の上にあるスワヤンブナートを訪れた。

スワヤンブナートは、「生まれていないもの」という意味がある。


       

ヒマラヤのふもとに大きな湖があった。
その湖に咲く蓮華から、あるとき大日如来が顔を出した。

中国の五台山にいた文殊菩薩は旅の途中でこの不思議を聞き、この地に立ち寄った。
土地の人が悪い大蛇に苦しめられていることを聞き、剣で山を切り開いた。

怪物は湖水とともに消え去り、カトマンドゥ盆地ができたという。

文殊菩薩は、小高い丘となった島の上にストゥーパをつくり、
後に生まれるゴータマ・シッダールタ(釈迦)を讃えたという。


       

真言宗では「阿字」本不生(ほんぶしょう)という。

神は生まれていないものという意味だ。

生まれるということは、母がいるということになる。

ギリシャ神話でも、女の腹から生まれたものは人間だという。
だから帝王切開とは、女の腹から生まれない「神のような帝王」を指すのだ。

釈迦も、マヤ・デビー夫人の右わきの下から生まれたといわれている。
スワヤンブーの急な階段の下にはマヤ夫人のレリーフが飾られている。


ネパール密教:グバジェの供養



スワヤンブナート寺院には正面に大きな金剛杵(バジュラ)がある。
この金剛杵の意味を知らなければ、密教は語れない。

      

密教は世界を金剛界と胎蔵界に分ける。
このシンボルが金剛杵(男性性)と金剛鈴(女性性)とになる。
この相対する二者の合一が、密教のシンボルとなっている。

早朝には供養の儀式を有髪の僧(グバジェ)が、ハルティマタ(鬼子母神)の祠の前で行っている。
今回の二番目の目的はこの儀式をビデオ録画することだ。

ちょうどグバジェのスルヤ・バジュラチャルヤさんが依頼者とともにベルとバジュラで儀式を始めていた。
約一時間、私たちは飽きずにこの儀式を見つめた。

ガイドに同じネワール人のヒラカジ・サキャさんをお願いしていたので、撮影が許され、
出来上がったDVDの提供が求められた。
これで彼らとも親しくなれたので、次回は彼の御宅で密教の印の伝授をお願いしたのです。

       


グバジェの目の前にあるのがマンダラ供養台。
つながっている紐は金剛線(五色の紐)。

周辺や上にいろいろなものを供養するのでマンダラ台はぐちゃぐちゃになっている。
左手で数珠を繰りながら真言を唱えたり、左手で金剛鈴を鳴らしながら右手で金剛杵を自在に使う。

これは四度加行の研究者にはたまらない光景だ。
私もこの意味が知りたくて、真言宗の門を叩いたのだ。

お勧めの研究本は:

  ・ネワール密教:シャカ族(井沢元彦監修) 

  ・チベット密教:図説マンダラ冥想法 ツルティム・ケサン 正木晃


ヒンドゥー教:カトマンドゥ旧王宮前広場



密教徒としてこの広場を見るならば、生き神クマリの館とジャンガナート寺院(エロティック・テンプル)が面白い。

秘密の方法により選ばれたクマリは国王よりも権威がある存在だ。
初潮を迎えると神の座を降りて人間になるという。写真撮影が禁止されている。


ジャンガナート寺院では、軒を支えるホオヅエの上に観音さまとともに性行為の四十八手が描かれている。


ガイドは、人口が減ったので人々にこれを見せることにより人口増加を計ったという。
また大昔のネパールでは女性性器や性行為は雷を避けるので、これが描かれたともいう。

う〜ん・・・どちらの説明も納得がいかない。

       

旧王宮の壁にも両足を広げて、性器むき出しのヴァジュラ・ヨギーニが描かれている。 

う〜ん・・どちらの意味も・・謎だ?!

このようにして私の左脳(論理脳)は、徐々に壊れていくのであった。


氣エネルギーを感じる



日本からやってきてしばらくは左脳が動いていたF君も、
ネパールに三日もいると左脳(論理脳)が壊れてきてしまいます。

でもこれは右脳(イメージ脳)が活性化するということなのかもしれません。
だから氣エネルギーが良くわかるようになります。

ネワール密教のお堂の背後には、三角形の切り込みの空気抜けが作られています。
ここに手をかざすと風が流れているのです。

       

チベット密教ではこの風のことを、ルン(氣エネルギー)と呼びます。
インドではプラーナと呼んでいます。
体内を流れる氣のことなのです。

写真の金色の割れ目はスワンブナヤートのハルティマタ堂の裏側です。
手をかざすと風を感じることが出来10メートルに離れても、
写真のF君のように、氣を感じることが出来るのです。

       


ほかにも氣の強い場所は、ネワール密教のゴールデンテンプルの大黒天の前です。
皆様に感じていただけないのが残念です。



現代文明は左脳の支配する文明になってしまいました。
縄文人の持っていた能力を取り戻し、地球を元に戻したいものです。

このような反文明の代表がサドゥー(ヒンドゥー教)です。

釈迦も修行の人生をサドゥーから始めました。
その苦行をやめたのがネーランジャ川での中道の気づきです。

サドゥーに混じって記念写真を撮っているうちに、彼らのエネルギーが伝染します。

はたしてF君は「変わり者」という名付けの差別に耐えられるようになったのでしょうか?
それとも彼の左脳が壊れてしまったのでしょうか?

       

仏教では、左脳のことを分別智、右脳のことを無分別智といいます。
そして社会的価値観に洗脳されている心を煩悩というのです。

ということは・・・F君は無分別智の世界に参入したということなのでしょうか?

善悪二元論(分別智)が苦しみを作ります。


現世の否定をして高野山に修行に行こうとしているF君です。
サドゥーは現世否定だけをしています。

でも密教はその体験を通して、否定の否定を求めるのです。
それがシャカの末裔として、方便を駆使し生きることになるのです。

気功師がこの世を離れ、山奥で修行をして雲に乗ってこの世を消え去るように!!


ダメだ・・・左脳が動かない!! 日本に帰ってきているのに!!


5月18日の早朝に成田に着きました。

空港でとんでもないものに出会いました。
私に見えたのは、霊感を得るために額のチャクラにバジュラを付けてエネルギー注入している、図像なのです。

でも、よく観るとそれは間違いでした。
単なるホットドックの宣伝なのです?!

      

グバジェ(有髪の僧)がバジュラを額に当てている、それまで見ていた映像が心に残っているのです。
そこでF君とともに大笑いをしてしまいました。

でも、それでもまだ・・成田から東京までの列車で、とんでもないものを見てしまいました。

これは右脳が活性化しているせいでしょうか?
それとも幻想なのでしょうか?
さまざまなヴィジョンが脳裏を駆け巡ります。

それはタモリの指を立てている金融会社(ユダヤ?)の宣伝です。
でもこれはゲシェー・シェーラブと大笑いしながら話していた、印(ムドラー)なのです。

ダ・ヴィンチも、絵画:洗礼のヨハネでこの印を使っています。

シンボリズム(印)こそ、深い意味を探る無意識の表現なのです。


旅の始まりと終わりに同じものを見てしまい、螺旋状の世界を空回りしている感覚を憶えました。

ウロボロスの蛇・・?

クラインの壷?


単なる寝不足なのでしょうか?
それとも時差ボケなのでしょうか?

日本の現状が・・そして世界が・・・ゆがんで見えてしまうのです!!


密教の認識方法:あなたはどんな方法で世界を見ているの?


密教はこの世を、三密・四曼・六大だという。

@三密とは、身・口・意=人間とは何か?

A四曼とは、感覚・言語・シンボル世界とその統合した現実世界=世界とは何か?

B六大とは、地水火風空と意識=それらの構成要素

         


ネパール(ネワール)の街を歩いていると、この世が「重々無尽」であることを教えてくれる。
古くなった密教寺院の建造物から、過去の人々の叡智が聞こえてくるのだ。

イスラム教(非シンボリズム一神教)の人にとっては、耐えられない世界であるかもしれない。

始めてこれらの物を見たときには、F君と同じように「何で?」の渦であった。
その疑問は、「知らないということを知った。」ことになる。

その質問を、自分に向けて・・・思考し続けると、知恵熱が出る!!

このような自己解体のプロセスを通して、自己再構築が起こり、次元上昇するのだ。

自己解体の勇気を持って・・・あなたも、ネパールの町に行って見ませんか?