ベストアンサーとはどれ?
人を見て法を説け

  

久しぶりに78歳のTさんがお出でになった。
彼は気功に夢中で、私の授業のすべてをマスターした長老だ。

その彼が浮かない顔で、私の前に座った。

政治や世界経済の話しを一通りした後で、「実はいま困っているんです。」とお話しし始めた。

「娘が乳がんになり、妻もそのことでかかりきりになって動けないのですよ。

 輪廻転生の世界観を言おうとしても、『そんなの何よ!!少しは私の身になってよ!!』とえらい剣幕になるのですよ〜」

とおっしゃいました。

第一の提案

密教は死の準備、「チベット死者の書(ジブリ・ライブラリー)をお見せしてはいかがですか?」とお話しした。

死について多くの人は見ないようにする。

私は岩登りをしていて、日常的に「死を思っていた」時期がある。
だから死を考えずに生きている人が信じられなかった。

そして、目に見えない力に生かされていたことを知った。

「在原業平のように『いつか行く道とはかねて聞きしかど、昨日今日とは思わざりしを』ですよね。
自分の身に引き付けて考えることって〜出来ないですよね。」とお話しした。

彼の奥様は「何でうちの娘が?!」とおっしゃるそうだ。

このような心理状況になったら「禍福無門=誰のところにでも災いは来るよ!!」というコトワザは通じない。

するとTさんは「でもお坊さんの事を思うといろんな人がいるから〜。」とチベット死者の書を躊躇された。

どのようなことが彼の家族とお坊さんとの間であったかは知らないが、
「でも、祈りは、神仏と、祈る方・・・個人がするものでしょう?組織は関係ありませんよ。」とお伝えした。

「奥様も何もしないでいると、余計なことを考えてしまうのですよ。祈りを上げているときは、無心になれますよ。
そうすれば受け入れられない現実も、忘れることができるのでしょう。
説明のお説教はしないほうが・・まだ時期じゃないのですよ。

『聖人の薬を投げること、器の深・浅に従い・・・』と空海も言っていますよ。

これを『人を見て法(真実)を説け』というじゃないですか。」


第二の提案


だから「チベットの代替療法だよ・・・といってドニパトロを胸に乗っけて叩いてみたらいかがですか?」と提案してみた。

「方便としてのドニパトロのほうが、いま、必要なんじゃありません?」

この効果は@脳波がα波になる=冥想常態になり心が休まる。
       A波動が肉体に響き、意識がそこに行く。
       B意識のあるところに、呼吸と共に氣エネルギーがめぐる。


第三の提案

苦しみの多くは実際の痛みよりも、未来に対する恐怖が大きい。
その苦しみは左脳にある、誰かの言った言葉で縛られている。

ドニパトロで呼吸が深くなった後で、無心に祈ることをお勧めした。

でもそのときに「願うべからず、祈るべし!!」と宮本武蔵が五輪の書にしたためたように、
感謝の言葉を発話するべきだろう。

『病気が治りますように』というよりも『ナムアミダブツ』と念じましょうよ。親鸞はすごいですよ。」
とお話ししたのでした。

「自力で生きていると思った人々に『生かされている』という、
他力への信仰を与えることが最初の修行かもしれませんね!!

このようなピンチのときがチャンスに変えられるときですよね?

このような緊急時には、簡単な行法が必要になるのです。

彼との話しを通して私も多くのことを学ぶことができました。
ありがとうございました。