アメリカ仏教の伸長

アダム・ヤウクという米国人が5月、がんで亡くなった。
ラップグループ「ビースティ・ボーイズ」のメンバーで全世界で四千万枚以上のアルバムが売れ、グラミー賞を三度受賞。

「菩薩の誓願」という曲を作り、米国では代表的な仏教徒だった。

昨年亡くなったアップル社のスティーブン・ジョブズさんも禅を愛していた。

全米の仏教徒は300万人を越え、1970年代から15倍に伸びている。

仏教伝道協会の大来尚順さんは、その背景に「格差社会があるようです。」と語る。
新資本主義は1%の勝ち組が富の40%を占有する社会を生み出すのだ。

仏教徒の広がりは、仏教学の進歩をうながす。

大来さんは米国仏教大学院で修士号をとり、ハーバード大学神学部で研究員として学んできた。
当初は語学力不足もあり、日に二十時間近くも学習したが「同僚の勉強振りには参りました。」

サンスクリット語、パーリー語など七、八カ国語を駆使し、仏典を原語で読解、漢文も白文ですらすら読む猛者が少なくない。

わずかな教員枠を求めて激烈な競争がある。

「日本の大学では、教員になれなくても実家に戻り住職に。彼らには継ぐ寺はありません。」

命をかけ中国に渡り、経典を持ち帰った最澄、空海らの僧を思った。 

                                                   (東京新聞:姫野忠 「こちら編集委員室」より)




アダム‘MCA’ヤウク

ビーステイ・ボーイズで音楽活動をするかたわら、チベットに興味を持ち始めたヤウクは、
中国から不当に弾圧させられているチベット人を支援するため
1996年からチャリティーコンサート〈チベット・フリーダム〉を開催し始めた。

仏教徒に改宗したヤウクは、1998年にアメリカ生まれでチベット人の両親を持つデチェン・ウェングドゥと
ハーバード大学の「ダライ・ラマ講演会」で出会い、結婚する。
彼らのチベット式の結婚式が話題に上った。